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お詫び

 公開質問なのですが、田中とも子候補と松原としお候補の両陣営にお渡ししたのが、7月10日火曜日とあまりに遅かったことと、両候補から「質問量が多く先に届いた公開質問から回答するのであまりに時間がないです」と言われたので、「学校教育について」だけ回答していただきました。今日、両候補から回答が届いたので、こちらに挙げます。回答が一部になってしまいましたが、これはすべて質問者である私たちが遅すぎたためです。お忙しいところ、田中とも子候補と松原としお候補には大変お手数をお掛けしました!

                 

             どうもありがとうございます!!

​学校教育について

①小中学校の式典で日の丸に敬礼することをどう感じますか?

 

田中とも子さん

 

 「日の丸」は、かつて日本の侵略戦争のシンボルとして使われたため、いまも拒否感を抱く人が少なくありません。「日の丸」に向かって起立したり頭を下げたりしたくないという人の権利は、尊重されなければなりません。「日の丸」への態度を一律に押し付けるのは、憲法で保障された「個人の尊厳」「思想・良心の自由」の侵害です。とりわけ、学校は、子ども一人ひとりの個性と人権が尊重されるべき場であり、強制はふさわしくありません。政府も1999年の国旗・国歌法の制定時に「強制しない」と答弁していました。

 

松原としおさん

 国旗掲揚等の必要性については、教育上の特に重要な節目となる儀式的行事において、教育上の行事にふさわしい秩序を確保して式典の円滑な進行を図ることにあると理解しております。また、国旗に対する敬礼や国歌を斉唱する行為は儀式におけるマナーであり、私も含め多くの人々にとっては心情から自然に、自発的に行う行為であると考えております。

②道徳の教科化に賛成ですか?

田中とも子さん

 ​反対です。安倍政権の「道徳の教科化」は、教科書検定などを通じて、国が上から子どもに国定の道徳を押しつけるものになっています。民主主義社会の道徳教育は、すべての人に人間の尊厳があることを土台にし、子ども一人ひとりの選択による価値観形成を大切にする、市民道徳の教育として行われることが大切です。憲法や子どもの権利条約などの学習、いじめや人間関係のトラブルなどをみんなで解決していくクラス討論や学校行事などの自治活動、すべての授業や生活で子どもが人間として大切にされ体罰などがきびしく批判されること――そうした教育全体をとおして市民道徳の教育が行われるようにすべきです。「道徳の時間」はそれらの一つとして位置づけてこそ有効なものになると考えます。

松原としおさん

  道徳の教科化では、「考え、議論する道徳」への転換を目指すものだと承知しております。このことは、次期学習指導要領の柱の一つであるアクティブ・ラーニング(自主的・対話的で深い学び)を推進するためにも、道徳科の役割が重要になってくるものと考えております。

③道徳の教科化はいじめ問題の改善につながるとお考えですか?

田中とも子さん 

​ つながるとは思えません。いじめをなくすためには、過度の競争と管理主義的な教育をあらためることや、少人数学級の推進や、教員の多忙化の解消によって、一人一人の子どもに十分に寄りそえる条件を整備すること、弱肉強食の社会のあり方を変えていくことなど、より根本的総合的な対策が必要です。政府に都合の良い徳目を上から押し付け、「理解度」を評価し、教員の多忙化に拍車をかけるようなやり方では、改善につながらないどころか、事態を悪化させることになるのではないかと心配しています。

松原としおさん

 道徳の教科化の背景には、大津市の中学生いじめ自殺事件など学校におけるいじめの深刻化があると承知しています。「考え、議論する道徳」へと転換することで、いじめはいけないとわかっていても止められないのはなぜかなど、いじめを自分のこととして考える授業をすることを期待しています。

④教科化した道徳に対する成績評価は、こどもの内面の自由を侵害するとお考えですか?

田中とも子さん

 そう思います。道徳は、子どもの人格全体に関わる学習であり、自由が必要です。また、子どもの考え方やものの見方、価値観は多様であって当然です。そこに評価で優劣をつけることは、強引に一つの価値軸を持ち込むことになります。子どもの内面の自由を侵し、学びとしても貧しいものになるのではないでしょうか。

松原としおさん

​ 道徳に対する成績評価は、数値による評価ではなく、記述式でよるものと聞いております。評価にあたっては、児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価するとともに、指導の過程や成果を評価し、指導の改善を行い学習意欲の向上に生かすようにすることが大切だと考えております。

 

 

⑤愛国心や郷土愛を身につけるべきだと思いますか?

田中とも子さん

 

 植民地支配や侵略戦争につながった戦前のような偏狭な「愛国心」は有害ですが、親兄弟や友人がともに暮らす日本の社会や豊かな自然を大切にする気持ちは育みたいと思います。ただし、そうした気持ちは子供たちの内心の問題であり、どう受け止めるかは多様であるべきです。特定の徳目として上から「こうあるべきだ」と押し付けるのは正しくないと思います。

松原としおさん

 生まれ育った社会や所属する社会に対して抱く愛着は、ごく自然なものだと考えております。互いに尊重し、多様性を知ることの大切さを子どもたちに理解させることは大切な視点だと考えております。

 

⑥もし愛国心や郷土愛を身につけるべきなら、学校の道徳教育を通じて行われるべきだとお考えですか?

 

田中とも子さん

 

 ⑤で述べたような気持ちを育むことは、道徳教育だけでなく、他の授業をはじめ学校生活全体を通じて行われるべきです。そのさい、戦前の偏狭な愛国心が植民地支配と侵略戦争へとつながった歴史の問題はきちんと伝えられることが必要であり、そうしてこそ、世界の人々と共生できるものとなると思います。 

松原としおさん

 自分の育った郷土は、自己の形成に大きな役割を果たすとともに、一生にわたって大きな精神的支えとなるものだと考えております。普段から、児童、生徒の発達段階において、郷土の行事や文化に対する積極的で主体的なかかわりを通して郷土を愛する心を育て、郷土をよりよくしていこうとする態度を育成することは大切なことであると考えております。

⑦二分の一成人式についてどうお考えですか?

田中とも子さん

 

 自分が生まれてからの十年間を振り返り、将来の夢を文章に書くことは、子どもたちが、自分がかけがえのない存在だということをつかみ、成長する力となる取り組みだと思います。しかし、現在行われている「二分の一成人式」は、親への感謝を書かせ人前で強制的に発表させるイベント的側面が強いものになっており、多様化する家族への配慮にも欠ける面があります。保護者から、見直しや中止を求める声が上がっているのは当然です。学校現場が、こうした声や子どもの気持ちをしっかりと受け止め、自主的により良いあり方を探求していくべきだと考えます。

 

松原としおさん 

 これまで10年間の自分の成長の跡を振り返るとともに、今の自分を見つめ、将来への夢や希望を抱き、よりよく生きていこうとする意欲と態度を育むことができる有効な機会であると考えております。

⑧前川喜平氏の講演について文科省に働きかけた赤池誠章参院議員と池田佳隆衆院議員の行動は教育への介入だと思いますか?

田中とも子さん

 明らかに教育への不当な介入です。名古屋市の中学校が自主的に決めて行った授業に対して、政権に気に食わない人物だからと与党の政治家が文科省に圧力をかけ、根拠のない調査を行なわせたものです。あってはならないことです。

松原としおさん

 教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく」と定めております。新聞報道にあるように、国会議員の要請を受け、文科省が直接、学校に教育内容を問い合わたのであれば、教育現場の自主性を損なう恐れがあると感じております。

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